薄明光線

エッセイテイストな読み物。週一くらいの頻度で更新します。僕の話、時々僕ではない誰かの話。ささやかな楽しみにしてもらえたら幸いです。

さらば若かりし日々よ

今の家に引っ越して、つまりは一人暮らしを始めてまる4年が経とうとしている中、近所にある定食屋に初めて赴いた。めちゃくちゃ美味い。以後、休みの度にかかさず出向きブランチをそこで取っている。
ついで2、3日前、自宅マンションのエントランスを出てすぐ向かいにある燻製バーにも向かった。めちゃくちゃ美味い。定食屋の店主とは同級生だそうだ。
はっきりと考えているワケでもなく、なんとなくのご近所巡りなのだが、今更ながら近所の店をまわっているのは、いつ、ここでの生活を終えてもいい心の準備をしたいのだろうと思う。
今の家は家賃も安く、特に不満はないのだが、強いて不満を言うのであれば、シャワーの温度調整が旧式であり人を泊める時に少し恥ずかしい事と、コンロが一つしかなく、自炊へのモチベーションを維持できないくらいで、独身男子にはさして問題はなかったが、ここに留まっていてはならないような気に駆られている。しがみついている気がするのだ。家賃の安さで浮いた分は結局飲み代に浪費しているし、シャワーの不便さへは友人に笑ってごまかしている。
ワンステップ、生活の質を上げたいのだ。人としての質も向上させたい。
現状の自分の悪さはもっと内面にあるのかもしれないが、外堀から変えていこうとするのもアリだろう。
この終わりを感じている気持ちを尊重し、引っ越しの日を明確にしていきたいと思う。