10歳の僕と初代プレステ
※noteの方のお題として書いたものをこちらへも転載しています。
初代プレステを手にしたのは、ノストラダムスの大予言なんて言葉が懐かしい1999年、僕が10歳になって間もない春の事だった。
妹が小学校への入学を控える春で、祖父母が妹の学習机を選ぶためにこちらへ来ていた。
なかなか机を選び切れない妹の優柔不断さに嫌気がさしていただけなのだが、その不機嫌な僕の顔から、家族が妹ばかりにかまけている事に拗ねているように感じたらしく、それを見兼ねた祖父が買い与えてくれたのが初代プレステである。思いがけない入手だった。
家族達がリビングで談笑している中、僕は隣の子供部屋でもくもくと本体とブラウン管の配線をいじりまわし、すぐに起動した。
10歳の僕にとって、プレステとは少し大人のイメージがあるものだった。20代の叔父がしていたパラッパラッパーは、当時今より少し不良の様なイメージの強いダンスミュージックの音ゲーだったり、ファイナルファンタジー8はラブロマンス感の強いCMから、子供のプレイするゲームでは無いと長く勘違いしていた。
プレステのロゴの表示と共に出る起動音、重厚感のあるエフェクト音がめちゃくちゃかっこよかった。スーファミや64に親しんでいた僕には、プレステの起動音、ディスクの読み込み音など全てが大人を感じるもので、最高にクールだった。
本体と共に持ち帰ったゲームは初代デジモンワールド。実はこのゲーム、初めてクリアしたのは僕が26歳になってからである。実に15年越しのクリア。周囲の同級生も、アドバイスをくれる兄や少し年長の友人がいる者しかクリアしていなかった。自他共に認めるなかなかの難易度なのだが、15年も越してクリアできたのは、初期ロットのPS3が初代とPS2のソフトに対応していたおかげである。
2020年末に発売を予定しているPS5には、歴代PSソフトの対応の噂があるが、是非搭載して欲しい。また初代やPS2のソフトで懐かしい気持ちを楽しみたい。25年越しに再プレイする価値のある作品、グラフィックばかりを頼りにしたゲームが溢れかえる現代に伝えるべき名作がまだまだたくさん残っている。